2012年5月9日水曜日

日本弁護士連合会│Japan Federation Of Bar Associations:子どもの権利条約に基づく第1回日本政府報告に関する日本弁護士連合会の報告書


前文

この条約の締約国は、国際連合憲章において宣明された原則によれば、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎を成すものであることを考慮し、国際連合加盟国の国民が、国際連合憲章において、基本的人権並びに人間の尊厳及び価値に関する信念を改めて確認し、かつ、一層大きな自由の中で社会的進歩及び生活水準の向上を促進することを決意したことに留意し、国際連合が、世界人権宣言及び人権に関する国際規約において、すべての人は人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしに、同宣言及び同規約に掲げるすべての権利及び自由を享有� ��ることができることを宣明し及び合意したことを認め、国際連合が、世界人権宣言において、児童は特別な保護及び援助についての権利を享有することができることを宣明したことを想起し、家族が、社会の基礎的集団として、並びに家族のすべての構成員特に児童の成長及び福祉のための自然な環境として、社会においてその責任を十分に引き受けることができるよう必要な保護及び援助を与えられるべきであることを確信し、児童が、その人格の完全なかつ調和のとれた発達のため、家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべきであることを認め、児童が、社会において個人として生活するため十分な準備が整えられるべきであり、かつ、国際連合憲章において宣明された理想の精神並びに特に平和、尊厳、寛� �、自由、平等及び連帯の精神に従って育てられるべきであることを考慮し、児童に対して特別な保護を与えることの必要性が、1924年の児童の権利に関するジュネーヴ宣言及び1959年11月20日に国際連合総会で採択された児童の権利に関する宣言において述べられており、また、世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約(特に第23条及び第24条)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(特に第10条)並びに児童の福祉に関係する専門機関及び国際機関の規程及び関係文書において認められていることに留意し、児童の権利に関する宣言において示されているとおり「児童は、身体的及び精神的に未熟であるため、その出生の前後において、適当な法的保護を含む特別な保護及び世話を必要とする。」ことに留意し、国 内の又は国際的な里親委託及び養子縁組を特に考慮した児童の保護及び福祉についての社会的及び法的な原則に関する宣言、少年司法の運用のための国際連合最低基準規則(北京規則)及び緊急事態及び武力紛争における女子及び児童の保護に関する宣言の規定を想起し、極めて困難な条件の下で生活している児童が世界のすべての国に存在すること、また、このような児童が特別の配慮を必要としていることを認め、児童の保護及び調和のとれた発達のために各人民の伝統及び文化的価値が有する重要性を十分に考慮し、あらゆる国特に開発途上国における児童の生活条件を改善するために国際協力が重要であることを認めて、次のとおり協定した。


第1部

第1条

 この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。


第2条

1 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。

2 締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。


第3条

1 児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。

2 締約国は、児童の父母、法定保護者又は児童について法的な責任を有する他の者の権利及び義務を考慮に入れて、児童の福祉に必要な保護及び養護を確保することを約束し、このため、すべての適当な立法上及び行政上の措置をとる。

3 締約国は、児童の養護又は保護のための施設、役務の提供及び設備が、特に安全及び健康の分野に関し並びにこれらの職員の数及び適格性並びに適正な監督に関し権限のある当局の設定した基準に適合することを確保する。


第4条

 締約国は、この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずる。締約国は、経済的、社会的及び文化的権利に関しては、自国における利用可能な手段の最大限の範囲内で、また、必要な場合には国際協力の枠内で、これらの措置を講ずる。


第5条

 締約国は、児童がこの条約において認められる権利を行使するに当たり、父母若しくは場合により地方の慣習により定められている大家族若しくは共同体の構成員、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者がその児童の発達しつつある能力に適合する方法で適当な指示及び指導を与える責任、権利及び義務を尊重する。


第6条

1 締約国は、すべての児童が生命に対する固有の権利を有することを認める。

2 締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する。


第7条

1 児童は出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。

2 締約国は、特に児童が無国籍となる場合を含めて、国内法及びこの分野における関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、1の権利の実現を確保する。


第8条

1 締約国は、児童が法律によって認められた国籍、氏名及び家族関係を含むその身元関係事項について不法に干渉されることなく保持する権利を尊重することを約束する。

2 締約国は、児童がその身元関係事項の一部又は全部を不法に奪われた場合には、その身元関係事項を速やかに回復するため、適当な援助及び保護を与える。


第9条

1 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。

2 すべての関係当事者は、1に規定に基づくいかなる手続においても、その手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会を有する。

3 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。

4 3の分離が、締約国がとった父母の一方若しくは双方又は児童の抑留、拘禁、追放、退去強制、死亡(その者が当該締約国により身体を拘束されている間に何らかの理由により生じた死亡を含む。)等のいずれかの措置に基づく場合には、当該締約国は、要請に応じ、父母、児童又は適当な場合には家族の他の構成員に対し、家族のうち不在となっている者の所在に関する重要な情報を提供する。ただし、その情報の提供が児童の福祉を害する場合は、この限りでない。締約国は、更に、その要請の提出自体が関係者に悪影響を及ぼさないことを確保する。


第10条

1 前条1の規定に基づく締約国の義務に従い、家族の再統合を目的とする児童又はその父母による締約国への入国又は締約国からの出国の申請については、締約国が積極的、人道的かつ迅速な方法で取り扱う。締約国は、更に、その申請の提出が申請者及びその家族の構成員に悪影響を及ぼさないことを確保する。

2 父母と異なる国に居住する児童は、例外的な事情がある場合を除くほか定期的に父母との人的な関係及び直接の接触を維持する権利を有する。このため、前条1の規定に基づく締約国に義務に従い、締約国は、児童及びその父母がいずれの国(自国を含む。)からも出国し、かつ、自国に入国する権利を尊重する。出国する権利は、法律で定められ、国の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の権利及び自由を保護するために必要であり、かつ、この条約において認められる他の権利と両立する制限にのみ従う。


第11条

1 締約国は、児童が不法に国外へ移送されることを防止し及び国外から帰還することができない事態を除去するための措置を講ずる。

2 このため、締約国は、二国間若しくは多数国間の協定の締結又は現行の協定への加入を促進する。


第12条

1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。

2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。


第13条

1 児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。

2 1の権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。

 (a) 他の者の権利又は信用の尊重

 (b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護


第14条

1 締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する。

2 締約国は、児童が1の権利を行使するに当たり、父母及び場合により法定保護者が児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利及び義務を尊重する。

3 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。


第15条

1 締約国は、結社の自由及び平和的な集会の自由についての児童の権利を認める。

2 1の権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。


第16条

1 いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。

2 児童は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。


第17条

 締約国は、大衆媒体(マス・メディア)の果たす重要な機能を認め、児童が国の内外の多様な情報源からの情報及び資料、特に児童の社会面、精神面及び道徳面の福祉並びに心身の健康の促進を目的とした情報及び資料を利用することができることを確保する。このため、締約国は、

 (a) 児童にとって社会面及び文化面において有益であり、かつ、第29条の精神に沿う情報及び資料を大衆媒体(マス・メディア)が普及させるよう奨励する。

 (b) 国の内外の多様な情報源(文化的にも多様な情報源を含む。)からの情報及び資料の作成、交換及び普及における国際協力を奨励する。

 (c) 児童用書籍の作成及び普及を奨励する。

 (d) 少数集団に属し又は原住民である児童の言語上の必要性について大衆媒体(マス・メディア)が特に考慮するよう奨励する。

 (e) 第13条及び次条の規定に留意して、児童の福祉に有害な情報及び資料から児童を保護するための適当な指針を発展させることを奨励する。


第18条

1 締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。児童の最善の利益は、これらの者の基本的な関心事項となるものとする。

2 締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与えるものとし、また、児童の養護のための施設、設備及び役務の提供の発展を確保する。

3 締約国は、父母が働いている児童が利用する資格を有する児童の養護のための役務の提供及び設備からその児童が便益を受ける権利を有することを確保するためのすべての適当な措置をとる。


第19条

1 締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。

2 1の保護措置には、適当な場合には、児童及び児童を監護する者のために必要な援助を与える社会的計画の作成その他の形態による防止のための効果的な手続並びに1に定める児童の不当な取扱いの事件の発見、報告、付託、調査、処置及び事後措置並びに適当な場合には司法の関与に関する効果的な手続を含むものとする。


第20条

1 一時的若しくは恒久的にその家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。

2 締約国は、自国の国内法に従い、1の児童のための代替的な監護を確保する。

3 2の監護には、特に、里親委託、イスラム法のカファーラ、養子縁組又は必要な場合には児童の監護のための適当な施設への収容を含むことができる。解決策の検討に当たっては、児童の養育において継続性が望ましいこと並びに児童の種族的、宗教的、文化的及び言語的な背景について、十分な考慮を払うものとする。


第21条

 養子縁組の制度を認め又は許容している締約国は、児童の最善の利益について最大の考慮が払われることを確保するものとし、また、

 (a) 児童の養子縁組が権限のある当局によってのみ認められることを確保する。この場合において、当該権限のある当局は、適用のある法律及び手続に従い、かつ、信頼し得るすべての関連情報に基づき、養子縁組が父母、親族及び法定保護者に関する児童の状況にかんがみ許容されること並びに必要な場合には、関係者が所要のカウンセリングに基づき養子縁組について事情を知らされた上での同意を与えていることを認定する。

 (b) 児童がその出身国内において里親若しくは養家に託され又は適切な方法で監護を受けることができない場合には、これに代わる児童の監護の手段として国際的な養子縁組を考慮することができることを認める。

 (c) 国際的な養子縁組が行われる児童が国内における養子縁組の場合における保護及び基準と同等のものを享受することを確保する。

 (d) 国際的な養子縁組において当該養子縁組が関係者に不当な金銭上の利得をもたらすことがないことを確保するためのすべての適当な措置をとる。

 (e) 適当な場合には、二国間又は多数国間の取極又は協定を締結することによりこの条の目的を促進し、及びこの枠組みの範囲内で他国における児童の養子縁組が権限のある当局又は機関によって行われることを確保するよう努める。


大恐慌にあった人々のインタビュー

第22条

1 締約国は、難民の地位を求めている児童又は適用のある国際法及び国際的な手続若しくは国内法及び国内的な手続に基づき難民と認められている児童が、父母又は他の者に付き添われているかいないかを問わず、この条約及び自国が締約国となっている人権又は人道に関する他の国際文書に定める権利であって適用のあるものの享受に当たり、適当な保護及び人道的援助を受けることを確保するための適当な措置をとる。

2 このため、締約国は、適当と認める場合には、1の児童を保護し及び援助するため、並びに難民の児童の家族との再統合に必要な情報を得ることを目的としてその難民の児童の父母又は家族の他の構成員を捜すため、国際連合及びこれと協力する他の権限のある政府間機関又は関係非政府機関による努力に協力する。その難民の児童は、父母又は家族の他の構成員が発見されない場合には、何らかの理由により恒久的又は一時的にその家庭環境を奪われた他の児童と同様にこの条約に定める保護が与えられる。


第23条

1 締約国は、精神的又は身体的な障害を有する児童が、その尊厳を確保し、自立を促進し及び社会への積極的な参加を容易にする条件の下で十分かつ相応な生活を享受すべきであることを認める。

2 締約国は、障害を有する児童が特別の養護についての権利を有することを認めるものとし、利用可能な手段の下で、申込みに応じた、かつ、当該児童の状況及び父母又は当該児童を養護している他の者の事情に適した援助を、これを受ける資格を有する児童及びこのような児童の養護について責任を有する者に与えることを奨励し、かつ、確保する。

3 障害を有する児童の特別な必要を認めて、2の規定に従って与えられる援助は、父母又は当該児童を養護している他の者の資力を考慮して可能な限り無償で与えられるものとし、かつ、障害を有する児童が可能な限り社会への統合及び個人の発達(文化的及び精神的な発達を含む。)を達成することに資する方法で当該児童が教育、訓練、保健サービス、リハビリテーション・サービス、雇用のための準備及びレクリエーションの機会を実質的に利用し及び享受することができるように行われるものとする。

4 締約国は、国際協力の精神により、予防的な保健並びに障害を有する児童の医学的、心理学的及び機能的治療の分野における適当な情報の交換(リハビリテーション、教育及び職業サービスの方法に関する情報の普及及び利用を含む。)であってこれらの分野における自国の能力及び技術を向上させ並びに自国の経験を広げることができるようにすることを目的とするものを促進する。これは関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。


第24条

1 締約国は、到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利を認める。締約国は、いかなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が奪われないことを確保するために努力する。

2 締約国は、1の権利の完全な実現を追求するものとし、特に、次のことのための適当な措置をとる。

 (a) 幼児及び児童の死亡率を低下させること。

 (b) 基礎的な保健の発展に重点を置いて必要な医療及び保健をすべての児童に提供することを確保すること。

 (c) 環境汚染の危険を考慮に入れて、基礎的な保健の枠組みの範囲内で行われることを含めて、特に容易に利用可能な技術の適用により並びに十分に栄養のある食物及び清潔な飲料水の供給を通じて、疾病及び栄養不良と戦うこと。

 (d) 母親のための産前産後の適当な保健を確保すること。

 (e) 社会のすべての構成員特に父母及び児童が、児童の健康及び栄養、母乳による育児の利点、衛生(環境衛生を含む。)並びに事故の防止についての基礎的な知識に関して、情報を提供され、教育を受ける機会を有し及びその知識の使用について支援されることを確保すること。

 (f) 予防的な保健、父母のための指導並びに家族計画に関する教育及びサービスを発展させること。

3 締約国は、児童の健康を害するような伝統的な慣行を廃止するため、効果的かつ適当なすべての措置をとる。

4 締約国は、この条において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため、国際協力を促進し及び奨励することを約束する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。


第25条

 締約国は、児童の身体又は精神の養護、保護又は治療を目的として権限のある当局によって収容された児童に対する処遇及びその収容に関連する他のすべての状況に関する定期的な審査が行われることについての児童の権利を認める。


第26条

1 締約国は、すべての児童が社会保険その他の社会保障からの給付を受ける権利を認めるものとし、自国の国内法に従い、この権利の完全な実現を達成するための必要な措置をとる。

1の給付は、適当な場合には、児童及びその扶養について責任を有する者の資力及び事情並びに児童によって又は児童に代わって行われる給付の申請に関する他のすべての事項を考慮して、与えられるものとする。


第27条

1 締約国は、児童の身体的、精神的、道徳的及び社会的な発達のための相当な生活水準についてのすべての児童の権利を認める。

2 父母又は児童について責任を有する他の者は、自己の能力及び資力の範囲内で、児童の発達に必要な生活条件を確保することについての第一義的な責任を有する。

3 締約国は、国内事情に従い、かつ、その能力の範囲内で、1の権利の実現のため、父母及び児童について責任を有する他の者を援助するための適当な措置をとるものとし、また、必要な場合には、特に栄養、衣類及び住居に関して、物的援助及び支援計画を提供する。

4 締約国は、父母又は児童について金銭上の責任を有する他の者から、児童の扶養料を自国内で及び外国から、回収することを確保するためのすべての適当な措置をとる。特に、児童について金銭上の責任を有する者が児童と異なる国に居住している場合には、締約国は、国際協定への加入又は国際協定の締結及び他の適当な取決めの作成を促進する。


第28条

1 締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に、

 (a) 初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。

 (b) 種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。)の発展を奨励し、すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとし、例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。

 (c) すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられるものとする。

 (d) すべての児童に対し、教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとする。

 (e) 定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。

2 締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。

3 締約国は、特に全世界における無知及び非識字の廃絶に寄与し並びに科学上及び技術上の知識並びに最新の教育方法の利用を容易にするため、教育に関する事項についての国際協力を促進し、及び奨励する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。


第29条

1 締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。

 (a) 児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限まで発達させること。

 (b) 人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。

 (c) 児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。

 (d) すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の間の理解、平和、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。

 (e) 自然環境の尊重を育成すること。

2 この条又は前条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行われる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。


第30条

 種族的、宗教的若しくは言語的少数民族又は原住民である者が存在する国において、当該少数民族に属し又は原住民である児童は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。


第31条

1 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。

2 締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。


第32条

1 締約国は、児童が経済的な搾取から保護され及び児童の教育の障害若しくは妨げとなり又は児童の健康若しくは身体的、精神的、道徳的若しくは社会的な発達に有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利を認める。

2 締約国は、この条の規定の実施を確保するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。このため、締約国は、他の国際文書の関連規定を考慮して、特に、

 (a) 雇用が認められるための1又は2以上の最低年齢を定める。

 (b) 労働時間及び労働条件についての適当な規則を定める。

 (c) この条の規定の効果的な実施を確保するための適当な罰則その他の制裁を定める。


第33条

 締約国は、関連する国際条約に定義された麻薬及び向精神薬の不正な使用から児童を保護し並びにこれらの物質の不正な生産及び取引における児童の使用を防止するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置を含むすべての適当な措置をとる。


第34条

 締約国は、あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護することを約束する。このため、締約国は、特に、次のことを防止するためのすべての適当な国内、二国間及び多数国間の措置をとる。

 (a) 不法な性的な行為を行うことを児童に対して勧誘し又は強制すること。

 (b) 売春又は他の不法な性的な業務において児童を搾取的に使用すること。

 (c) わいせつな演技及び物において児童を搾取的に使用すること。


第35条

 締約国は、あらゆる目的のための又はあらゆる形態の児童の誘拐、売買又は取引を防止するためのすべての適当な国内、二国間及び多数国間の措置をとる。


第36条

 締約国は、いずれかの面において児童の福祉を害する他のすべての形態の搾取から児童を保護する。


第37条

 締約国は、次のことを確保する。

 (a) いかなる児童も、拷問又は他の残虐な、非人道的若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けないこと。死刑又は釈放の可能性がない終身刑は、18歳未満の者が行った犯罪について科さないこと。

 (b) いかなる児童も、不法に又は恣意的にその自由を奪われないこと。児童の逮捕、抑留又は拘禁は、法律に従って行うものとし、最後の解決手段として最も短い適当な期間のみ用いること。

 (c) 自由を奪われたすべての児童は、人道的に、人間の固有の尊厳を尊重して、かつ、その年齢の者の必要を考慮した方法で取り扱われること。特に、自由を奪われたすべての児童は、例外的な事情がある場合を除くほか、成人とは分離されないことがその最善の利益であると認められない限り成人とは分離されるものとし、通信及び訪問を通じてその家族との接触を維持する権利を有すること。

 (d) 自由を奪われたすべての児童は、弁護人その他適当な援助を行う者と速やかに接触する権利を有し、裁判所その他の権利のある、独立の、かつ、公平な当局においてその自由の剥奪の合法性を争い並びにこれについての決定を速やかに受ける権利を有すること。


第38条

1 締約国は、武力紛争において自国に適用される国際人道法の規定で児童に関係を有するものを尊重し及びこれらの規定の尊重を確保することを約束する。

2 締約国は、15歳未満の者が敵対行為に直接参加しないことを確保するためのすべての実行可能な措置をとる。

3 締約国は、15歳未満の者を自国の軍隊に採用することを差し控えるものとし、また、15歳以上18歳未満の者の中から採用するに当たっては、最年長者を優先させるよう努める。

4 締約国は、武力紛争において文民を保護するための国際人道法に基づく自国の義務に従い、武力紛争の影響を受ける児童の保護及び養護を確保するためのすべての実行可能な措置をとる。


第39条

 締約国は、あらゆる形態の放置、搾取若しくは虐待、拷問若しくは他のあらゆる形態の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取り扱い若しくは刑罰又は武力紛争による被害者である児童の身体的及び心理的な回復及び社会復帰を促進するためのすべての適当な措置をとる。このような回復及び復帰は、児童の健康、自尊心及び尊厳を育成する環境において行われる。


第40条

1 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されたすべての児童が尊厳及び価値についての当該児童の意識を促進させるような方法であって、当該児童が他の者の人権及び基本的自由を尊重することを強化し、かつ、当該児童の年齢を考慮し、更に、当該児童が社会に復帰し及び社会において建設的な役割を担うことがなるべく促進されることを配慮した方法により取り扱われる権利を認める。

2 このため、締約国は、国際文書の関連する規定を考慮して、特に次のことを確保する。

 (a) いかなる児童も、実行の時に国内法又は国際法により禁じられていなかった作為又は不作為を理由として刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されないこと。

 (b) 刑法を犯したと申し立てられ又は訴追されたすべての児童は、少なくとも次の保障を受けること。

  ・) 法律に基づいて有罪とされるまでは無罪と推定されること。

  ・) 速やかにかつ直接に、また、適当な場合には当該児童の父母又は法定保護者を通じてその罪を告げられること並びに防御の準備及び申立てにおいて弁護人その他適当な援助を行う者を持つこと。

  ・) 事案が権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関により法律に基づく公正な審理において、弁護人その他適当な援助を行う者の立会い及び、特に当該児童の年齢又は境遇を考慮して児童の最善の利益にならないと認められる場合を除くほか、当該児童の父母又は法定保護者の立会いの下に遅滞なく決定されること。

  ・) 供述又は有罪の自白を強要されないこと。不利な証人を尋問し又はこれに対し尋問させること並びに対等の条件で自己のための証人の出席及びこれに対する尋問を求めること。

  ・) 刑法を犯したと認められた場合には、その認定及びその結果科せられた措置について、法律に基づき、上級の、権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関によって再審理されること。

  ・) 使用される言語を理解すること又は話すことができない場合には、無料で通訳の援助を受けること。

  ・) 手続のすべての段階において当該児童の私生活が十分に尊重されること。

3 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定された児童に特別に適用される法律及び手続の制定並びに当局及び施設の設置を促進するよう努めるものとし、特に、次のことを行う。

 (a) その年齢未満の児童は刑法を犯す能力を有しないと推定される最低年齢を設定すること。

 (b) 適当なかつ望ましい場合には、人権及び法的保護が十分に尊重されていることを条件として、司法上の手続に訴えることなく当該児童を取り扱う措置をとること。


米国の大恐慌時にオザーク山地

4 児童がその福祉に適合し、かつ、その事情及び犯罪の双方に応じた方法で取り扱われることを確保するため、保護、指導及び監督命令、カウンセリング、保護観察、里親委託、教育及び職業訓練計画、施設における養護に代わる他の措置等の種々の処置が利用し得るものとする。


第41条

 この条約のいかなる規定も、次のものに含まれる規定であって児童の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。

 (a) 締約国の法律

 (b) 締約国について効力を有する国際法


第2部

第42条

 締約国は、適当かつ積極的な方法でこの条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることを約束する。


第43条

1 この条約において負う義務の履行の達成に関する締約国による進捗の状況を審査するため、児童の権利に関する委員会(以下「委員会」という。)を設置する。委員会は、この部に定める任務を行う。

2 委員会は、徳望が高く、かつ、この条約が対象とする分野において能力を認められた10人の専門家で構成する。委員会の委員は、締約国の国民の中から締約国により選出されるものとし、個人の資格で職務を遂行する。その選出に当たっては、衡平な地理的配分及び主要な法体系を考慮に入れる。

3 委員会の委員は、締約国により指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。各締約国は、自国民の中から1人を指名することができる。

4 委員会の委員の最初の選挙は、この条約の効力発生の日の後6箇月以内に行うものとし、その後の選挙は、2年ごとに行う。国際連合事務総長は、委員会の委員の選挙の日の遅くとも4箇月前までに、締約国に対し、自国が指名する者の氏名を2箇月以内に提出するよう書簡で要請する。その後、同事務総長は、指名された者のアルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し、この条約の締約国に送付する。

5 委員会の委員の選挙は、国際連合事務総長により国際連合本部に召集される締約国の会合において行う。これらの会合は、締約国の3分の2をもって定足数とする。これらの会合においては、出席しかつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で、かつ、過半数の票を得た者をもって委員会に選出された委員とする。

6 委員会の委員は、4年の任期で選出される。委員は、再指名された場合には、再選される資格を有する。最初の選挙において選出された委員のうち5人の委員の任期は、2年で終了するものとし、これらの5人の委員は、最初の選挙の後直ちに、最初の選挙が行われた締約国の会合の議長によりくじ引で選ばれる。

7 委員会の委員が死亡し、辞任し又は他の理由のため委員会の職務を遂行することができなくなったことを宣言した場合には、当該委員を指名した締約国は、委員会の承認を条件として自国民の中から残余の期間職務を遂行する他の専門家を任命する。

8 委員会は、手続規則を定める。

9 委員会は、役員を2年の任期で選出する。

10 委員会の会合は、原則として、国際連合本部又は委員会が決定する他の適当な場所において開催する。委員会は、原則として毎年1回会合する。委員会の会合の期間は、国際連合総会の承認を条件としてこの条約の締約国の会合において決定し、必要な場合には、再検討する。

11 国際連合事務総長は、委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及び便益を提供する。

12 この条約に基づいて設置する委員会の委員は、国際連合総会が決定する条件に従い、同総会の承認を得て、国際連合の財源から報酬を受ける。


第44条

1 締約国は、(a)当該締約国についてこの条約が効力を生ずる時から2年以内に、(b)その後は5年ごとに、この条約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を国際連合事務総長を通じて委員会に提出することを約束する。

2 この条の規定により行われる報告には、この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因及び障害が存在する場合には、これらの要因及び障害を記載する。当該報告には、また、委員会が当該国における条約の実施について包括的に理解するために十分な情報を含める。

3 委員会に対して包括的な最初の報告を提出した締約国は、1(b)の規定に従って提出するその後の報告においては、既に提供した基本的な情報を繰り返す必要はない。

4 委員会は、この条約の実施に関連する追加の情報を締約国に要請することができる。

5 委員会は、その活動に関する報告を経済社会理事会を通じて、2年ごとに国際連合総会に提出する。

6 締約国は、1の報告を自国において公衆が広く利用できるようにする。


第45条

 この条約の効果的な実施を促進し及びこの条約が対象とする分野における国際協力を奨励するため、

 (a) 専門機関及び国際連合児童基金その他の国際連合の機関は、その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し、代表を出す権利を有する。委員会は、適当と認める場合には、専門機関及び国際連合児童基金その他の権限のある機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について専門家の助言を提供するよう要請することができる。委員会は、専門機関及び国際連合児童基金その他の国際連合の機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。

 (b) 委員会は、適当と認める場合には、技術的な助言若しくは援助の要請を含んでおり又はこれらの必要性を記載している締約国からのすべての報告を、これらの要請又は必要性の記載に関する委員会の見解及び提案がある場合は当該見解及び提案とともに、専門機関及び国際連合児童基金その他の権限のある機関に送付する。

 (c) 委員会は、国際連合総会に対し、国際連合事務総長が委員会のために児童の権利に関連する特定の事項に関する研究を行うよう同事務総長に要請することを勧告することができる。

 (d) 委員会は、前条及びこの条の規定により得た情報に基づく提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができる。これらの提案及び一般的な性格を有する勧告は、締約国から意見がある場合にはその意見とともに、関係締約国に送付し、及び国際連合総会に報告する。


第46条

 この条約は、すべての国による署名のために開放しておく。


第47条

 この条約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。


第48条

 この条約は、すべての国による加入のために開放しておく。加入書は、国際連合事務総長に寄託する。


第49条

1 この条約は、20番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。

2 この条約は、20番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については、その批准書又は加入書が寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。


第50条

1 いずれの締約国も、改正を提案し及び改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、直ちに、締約国に対し、その改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議及び投票のための締約国の会議の開催についての賛否を示すよう要請する。その送付の日から4箇月以内に締約国の3分の1以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。

2 1の規定により採択された改正は、国際連合総会が承認し、かつ、締約国の3分の2以上の多数が受諾した時に、効力を生ずる。

3 改正は、効力を生じたときは、改正を受諾した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの条約の規定(受諾した従前の改正を含む。)により引き続き拘束される。


第51条

1 国際連合事務総長は、批准又は加入の際に行われた留保の書面を受領し、かつ、すべての国に送付する。

2 この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は、認められない。

3 留保は、国際連合事務総長にあてた通告によりいつでも撤回することができるものとし、同事務総長は、その撤回をすべての国に通報する。このようにして通報された通告は、同事務総長により受領された日に効力を生ずる。


第52条

 締約国は、国際連合事務総長に対して書面による通告を行うことにより、この条約を廃棄することができる。廃棄は、同事務総長がその通告を受領した日の後1年で効力を生ずる。


第53条

 国際連合事務総長は、この条約の寄託者として指名される。


第54条

 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とするこの条約の原本は、国際連合事務総長に寄託する。

 以上の証拠として、下名の全権委員は、各自の政府から正当に委任を受けてこの条約に署名した。

子ども(児童)の権利に関する条約1994年5月22日発効

・・子どもの権利条約第44条1項(a)に基づいて締約国によって提出される第1回報告の形式と内容に関するガイドライン・・


1 子どもの権利に関する条約第44条1項は、

「締約国は、次の場合に、この条約において認められる権利の実施のためにとった措置およびこれらの権利についてもたらされた進歩に関する報告を、国連事務総長を通じて、委員会に提出することを約束する。

(a) 当該締約国について条約が効力を生ずる時から2年以内

(b) その後は5年ごと」

 と規定する。

2 本条約第44条はさらにその2項において、子どもの権利委員会に提出される報告には、この条約に基づく義務の履行に影響を及ぼす要因および障害が存在する場合にはそれらを記載するものとし、かつ、当該締約国における条約の実施について本委員会が包括的に理解するための十分な情報もあわせて記載するものと規定する。

3 本委員会は、本委員会に提出される報告の準備過程が、本条約に国内法および国内政策を調和させるため、ならびに、本条約に掲げられた権利の享受についてもたらされた進歩を監督するためにとられた多様な措置を包括的に審査するための重要な機会を提供するものと信じる。これに加え、この過程は、公衆の参加および公衆による政府の政策の吟味を助長し、かつ、促進するものとする。

4 本委員会は、報告審査の過程において、締約国が、本条約に掲げられた権利の尊重および確保のためになした自国の努力を再確認するものと考え、かつ、報告審査の過程が、締約国と本委員会との間の有意味な対話を確立するための欠くことのできない手段として貢献するものと考える。

5 締約国の報告における一般的部分は、多様な国際人権文書の条約実施監督機関の関心となる事項に関連するものであり、HRI/1991/1に記載されている「締約国の報告の冒頭部分に関する共通ガイドライン」に従って作成されるものとする。子どもの権利条約の実施に関する締約国の第一回報告は、子どもの権利委員会が、1991年10月15日に開催されたその第22次会議において採択した本ガイドラインに従って準備されるものとする。

6 本委員会は、本条約第44条1項(b)に基づいて提出される定期的報告の準備に関するガイドラインを、当分の後に作成する予定である。

7 報告には、報告において言及される主要な法的およびその他の文書の写し、ならびに、統計情報および統計指標が添付され、それらは本委員会の委員によって利用されるものとする。しかし、それらは、財政的理由から、一般に配付されるために翻訳または複製されないことに注意が払われるものとする。従って、原文が、報告自身において引用されず、または、付記されていない場合には、報告には、これらの原文を参照しなくとも理解することができる十分な情報が記載されることが望ましい。

8 本条約の規定は異なった章に分類されているが、条約において認められたすべての権利には、重要性が等しく与えられる。


Ⅰ 条約実施のための一般的措置

9 この章において、締約国は、本条約第4条に従い、以下を含む、関連する情報を提供することが求められる。

 (a) 条約の規定と国内法および国内政策とを調和させるためにとられた措置

 (b) 子どもに関する政策の調整、および、条約実施監督を目的とする、中央または地方レベルにおける、既存の、または、設置の計画されている機構 10 締約国は、これに加えて、本条約第42条に従い、この条約の原則および規定を、適切かつ積極的な手段により、大人のみならず子どもに対しても同様に、広く知らせるために、既にとられている、または、とられることが予定されている措置を説明することが求められる。

11 締約国は、また、本条約第44条6項に従い、自国の報告を国内において公衆に広く利用可能とするために、既にとられた、または、とられることが予定されている措置を説明することが求められる。


Ⅱ 子どもの定義

12 この章において、締約国は、本条約第1条に従い、国内法および国内規則における子どもの定義に関連する情報を提供することが求められる。締約国は、特に、親の同意が必要とされない法律相談および医療相談、義務教育の修了、非常勤および常勤労働への従事、危険な労働への従事、性的行為への同意、結婚、軍隊への志願入隊、軍隊への徴兵、法廷における任意の証言、刑事責任、自由の剥奪、拘禁、ならびに、アルコールまたはその他の規制されている物質の服用を含む、多様な目的のために設定された成人年齢および最低年齢に関する情報を提供することが求められる。


Ⅲ 一般原則

13 現に実施され、または、実施されることが予定されている主要な法的、司法的、行政的、または、その他の措置、本条約の規定の実施において直面する問題と困難、および、もたらされた進歩、ならびに、将来における、実施優先順位および個別的な目標を含む関連する情報が、以下について、提供されるものとする。

 (a) 差別の禁止(第2条)

 (b) 子どもの最善の利益(第3条)

 (c) 子どもの生命、生存、および、発達に関する権利(第6条)

 (d) 子どもの意見の尊重(第12条)

14 締約国は、これに加えて、このガイドラインのその他の章に掲げられている条項の実施における、これらの原則の適用について、関連する情報を提供することを奨励される。


Ⅳ 市民的権利および自由

15 この章において、締約国は、実施されている主要な法的、司法的、行政的、または、その他の措置、本条約の関連する規定の実施にあたって直面する問題と困難、および、もたらされた進歩、ならびに、将来における、実施優先順位および個別的な目標を含む関連する情報を、以下について、提供することが求められる。

 (a) 名前および国籍(第7条)

 (b) アイデンティティの保全(第8条)

 (c) 表現の自由(第13条)

 (d) 適切な情報へのアクセス(第17条)

 (e) 思想、良心、および宗教の自由(第14条)

 (f) 結社の自由および平和的集会の自由(第15条)

 (g) プライバシーの保護(第16条)

 (h) 拷問またはその他の残虐な、非人間的もしくは品位を傷つける取扱もしくは刑罰を受けない権利(第37条(a))


Ⅴ 家庭環境および代替的養護

16 この章において、締約国は、実施されている主要な法的、司法的、行政的、または、その他の措置、特に、これらの措置における「子どもの最善の利益」の原則および「子どもの意見の尊重」の原則の反映の程度、本条約の関連する規定の実施にあたって直面する問題と困難、および、もたらされた進歩、ならびに、将来における、実施優先順位および個別的な目標を含む関連する情報を、以下について、提供することが求められる。

 (a) 親の指導(第5条)

 (b) 親の責任(第18条1項、2項)

 (c) 親からの分離(第9条)

 (d) 家族再統合(第10条)

 (e) 子どもの養育費の回収(第27条4項)

 (f) 家庭環境を奪われた子ども(第20条)

 (g) 養子縁組(第21条)

 (h) 不法移送および不返還(第11条)


トップattornies犯罪ミネソタ州

 (i) 虐待および遺棄(第19条)、肉体的および精神的回復ならびに社会復帰(第39条)を含む。

 (j) 措置の定期的審査(第25条)

17 締約国は、これに加えて、報告の対象となっている期間中における、以下のグループ毎の子どもの数についての情報を提供することが求められる。年齡別、性別、民族的または国民的背景別、および、都市部、農山村部別に分類された子ども。ホームレスの子ども、保護のために収容された、虐待を受けた子どもまたは遺棄された子ども、里親に措置された子ども、ならびに、国際養子縁組により入国した子どもおよび出国した子ども。

18 締約国は、この章において取り扱われる子どもに関連する追加的な統計情報および統計指標を提供することを奨励される。


Ⅵ 基礎的保健および福祉

19 この章において、締約国は、実施されている主要な法的、司法的、行政的、または、その他の措置、この領域における政策を実施するための制度的基盤(institutional infrastructure)、特に、実施監督のための戦略および機構、ならびに、本条約の関連する規定の実施にあたって直面する問題と困難、および、もたらされた進歩を含む関連する情報を、以下について、提供することが求められる。

 (a) 生存と発達(第6条2項)

 (b) 障害を持つ子ども(第23条)

 (c) 健康および健康サービス(第24条)

 (d) 社会保障ならびに子どもの養護のためのサービスおよび施設(第26条および第18条3項)

 (e) 生活水準(第27条1項ないし3項)

20 締約国は、本ガイドライン9項(b)に基づいて提供される情報に加え、本条約のこの領域の実施に関連して、ソシアルワーカー団体などの地域的および全国的な、政府的または非政府的組織との協力関係の性格、およびその程度を明確にすることが求められる。締約国は、この章において取り扱われている子どもに関連する追加的な統計情報および統計指標を提供することが奨励される。


Ⅶ 教育、余暇、および、文化的活動

21 この章において、締約国は、実施されている主要な法的、司法的、行政的、または、その他の措置、この領域における政策を実施するための制度的基盤(institutional infrastructure)、特に、実施監督のための戦略および機構、ならびに、本条約の関連する規定の実施にあたって直面する問題と困難、および、もたらされた進歩を含む関連する情報を、以下について、提供することが求められる。

 (a) 職業的訓練および職業ガイダンスを含む教育(第28条)

 (b) 教育の目的(第29条)

 (c) 余暇、リクリエーション、および文化的活動(第31条)

22 締約国は、本ガイドラインの9項(b)に基づいて提供される情報に加え、本条約のこの領域の実施に関連して、ソシアルワーカー団体などの地域的および全国的な、政府的または非政府的組織との協力関係の性格、およびその程度を明確にすることが求められる。締約国は、この章において取り扱われている子どもに関連する追加的な統計情報および統計指標を提供することを奨励される。


Ⅷ 特別の保護のための措置

23 この章において、締約国は、実施されている主要な法的、司法的、行政的、または、その他の措置、本条約の関連する規定の実施にあたって直面する問題と困難、および、もたらされた進歩、ならびに、将来における、実施優先順位および個別的な目標を含む関連する情報を、以下について、提供することが求められる。

 (a) 緊急事態にある子ども

  (1)難民の子ども(第22条)

  (2)武力紛争下の子ども(第38条)、肉体的および精神的回復ならびに社会復帰(第39条)

 (b) 法に抵触した子ども

  (1)少年司法運営(第40条)

  (2)自由を奪われた子ども、あらゆる形態の拘留、拘禁、または拘留状態への措置(第37条(b)、(c)、(d))

  (3)少年に対する刑罰、とりわけ死刑および終身刑の禁止(第37条(a))

  (4)肉体的および精神的回復ならびに社会復帰(第39条)

 (c)搾取されている子ども、肉体的および精神的回復ならびに社会復帰(第39条)を含む

  (1)経済的搾取、児童労働を含む(第32条)

  (2)薬物乱用(第33条)

  (3)性的搾取および性的虐待(第34条)

  (4)その他の形態の搾取(第36条)

  (5)売買、取引、および誘拐(第35条)

 (d)マイノリティまたは先住民の子ども(第30条) 24 締約国は、さらに、第23条において取り扱われている子どもについての個別的な統計情報および統計指標を提出することが奨励される。

(世取山 洋介・仮訳)

子どもの権利条約のためのNGOグループ・編(1994年)

(日本弁護士連合会仮訳)


Ⅰ 背景

子どもの権利条約

 子どもの権利条約は、1989年11月20日、国連総会で採択され、1990年9月2日に発効しました。子どもの権利条約が規定する権利は、子どもの地位に関する普遍的原則と規範を明らかにしています。子どもの権利条約は、市民的・政治的権利と経済的・社会的・文化的権利を同時に規定している唯一の国際人権条約です。これを批准することにより、締約国は、これらの権利を尊重することを約束します。子どもの権利条約は、現時点において、もっとも広範に批准された国際文書であり、大半の国がその原則に同意しています。


子どもの権利委員会(CRC)

 子どもの権利委員会(CRC)は、締約国により選任された10人の独立した専門家によって構成されます。その選任に際しては、地理的に公平な分布となることが考慮されます。CRCは、少なくとも年2回、スイスのジュネーブで開催されます。CRCは、ジュネーブの国連人権センターに小さな常設事務局を有します。

 CRCは、子どもの権利条約上の義務を充足するための締約国による進捗状況について検証する第一の責任を負います。CRCは、子どもの権利条約を批准した締約国に関する情報を受領し、考慮することができるのみです。子どもの権利侵害に関する個人の不服申し立てを審査する権限は与えられていません。


報告制度の概要

 CRCによる検証の基礎となるのは、各締約国が条約批准後2年以内に提出することを求められている報告書です。その後、5年ごとに進捗状況に関する報告書の提出が要求されます。CRCは、これらの期間の間にも、追加的情報を要求することができます。第1回報告書の準備においては、締約国政府は、子どもの権利条約の規定する権利の実現のためにとられた措置とこれらの権利の享受に関してもたらされた進歩に関して、総合的な検証を行わなければなりません。報告書は、子どもの権利条約の実施状況に関する総合的理解を可能とし、条約の完全な実施を阻害する要因や困難性を明らかにするものでなければなりません。CRCは、報告書作成にあたって締約国が従うべきガイドラインを作成しています。また、ガイドライン� ��おいては、締約国は、報告書とともに関連する法律及び統計的情報も提供することが求められています。


締約国報告書の審査

 完成した報告書は、締約国により、スイスのジュネーブにある国連人権センターに送付されます。そして、その後の審査を行う会期が設定されます。CRCとしては、できれば、報告書受領後、1年以内に審査を行いたいと考えています。NGOグループは、人権センターに提出されたレポート及びその審査予定日に関する情報を提供することができます。

 その後、CRCは、NGOや政府間組織等の他の情報源からの文書情報を探索します。CRCのメンバーから構成される会期前作業部会において、報告書の事前審査が行われ、入手された全ての情報を検証します。そして、作業部会は、事前に政府に提出する質問事項を準備します。政府は、これらの質問に対して文書で回答することが要求されます。

 その上で、CRCは、本会期中に、政府出席の下で、報告書審査を行います。CRCは、審査における議論には、権利条約の実施のために全国レベルで直接関与した者を代表として出席させるよう奨励しています。政府代表者は、その国の実際の状況についてより完全に理解することができるようにするため、権利委員が提起した質問や意見に対して回答することが要請されます。対話の最後には、CRCは、主要な議論のポイントを反映した最終意見を準備し、具体的なフォローアップが必要な懸念事項と論点を指摘します。


NGOとCRC

 子どもの権利条約第45条(a)により、CRCは、専門組織、UNICEF、及び「他の権限ある団体」に対し、専門的助言を求めることができます。この「他の権限ある団体」にはNGOが含まれます。子どもの権利条約は、その実施状況の監視のためのNGOの役割を明示的に規定した唯一の国際人権条約です。CRCは、国際的、地域的、全国的及び地方の組織からの文書による情報を歓迎します。情報は、各NGOにより、または全国のNGOの連合またはCRCにより提出することができます。CRCは、特に、政府報告書が十分な情報を提供していない領域、あるいは政府報告書がカバーしていない領域、あるいはNGOから見て、不正確にまたは誤解を与えるような形で情報を提供している領域について、適切かつ信頼� �きる情報を求めています。


Ⅱ NGOによる文書提出

 締約国は、条約第44条6項により、自国において、その報告書を広く公衆に入手可能にする責務を負っています。したがって、CRCへの文書報告を準備したいと考えるNGO(個々のNGOまたはNGOの全国的な連合体)は、自国の政府に政府報告書のコピーを要求すべきです。もし何かの理由で、政府がNGOに報告のコピーを提供しない場合には、ジュネーブにあるNGOグループから要求することもできます。


付加的報告

 NGOは、ことに政府報告書に情報の欠けている分野について、政府報告書の代わりに、あるいはそれに付け加えて、政府報告書を補足するような情報を提出することができます。これは、NGOが特定のテーマ(例えばストリート・チルドレンや児童労働、武力紛争下の子ども、難民の子どもなど)について作った最新の報告書を提出することでもかまいません。単一の問題点に焦点を当てた報告、あるいは特に弱い立場にある集団の状況についての報告も役に立ちます。


勧告

 NGOは、自国の子どもの状況を改善するために必要な具体的な勧告を示すべきです。それは現行法規を条約の基準に達するように修正する必要性がどこにあるのかを摘示するのに役立ちます。NGOは、優先事項であると考える問題点を最小限に絞り、そこに焦点を当てるよう努めるべきです。またNGOは、条約の実施の上で果たしうる役割についても具体的な勧告を用意する必要があります。CRCは、特にNGOがどの程度まで変革のために役割を果たせるのかを知ることに関心があります。CRCはしばしば、その最終意見の中で、政府が地域のNGOとともに活動するよう勧告することがよくあります。


実践的な情報

 NGOの報告書は、20頁以下にすべきです。報告書の抜粋あるいは要約は、重要な問題に光を当て、条約の実施に関し主に懸念される問題点を浮かび上がらせるために役立ちます。報告書は、事実によって裏づけられる必要があり、あまり政治的色彩の強い表現を用いるべきではありません。主観的な意見は盛り込まれるべきではありません。目的は、争いにあるのではなく、建設的な対話(dialogue)にあるのです。他方、問題点を指摘することと、取られるべき具体的措置を示すことについては、躊躇する必要はありません。報告書は、CRCの3つの公式言語、すなわち英語・フランス語・スペイン語のいずれかで提出される必要があります。現在のCRCの10人の専門家のうち8人は英語が使用言語ですので、フランス語とスペイン� �で提出する書類は、可能な限り英語に要約する必要があります。国連は、NGOによって提出された如何なる文書も、翻訳はしません。

 NGOの報告書が会期前作業部会の会議で検討されることを確実にするためには、理想的には、政府報告書がジュネーブの人権センターに受理されてから、約3カ月後までに提出される必要があります。代替的報告書は、CRCに情報を届けることを確実にしているNGOグループに対して提出するか、または人権センターに直接提出することができます。できれば、10人の委員全員とCRCの事務局そしてNGOグループに配布できるように、報告書のコピー12部を提出して下さい。もしそれが不可能なら、NGOグループが報告書のコピーをすることもできます。

 〈報告書を準備するに際して、覚えておくべき主なポイント〉

 *報告書は、CRCのガイドラインに従うこと

 *具体的な勧告がなされること

 *報告書は、20頁以下であること

 *報告書は、英語かフランス語かスペイン語で書かれること

 *報告書の英語による抜粋ないし要約が不可欠であること

 *報告書は、政府報告が提出された3カ月後までにCRCに送られなければならないこと


Ⅲ CRCの会期前作業部会

構成

 CRCの会期前作業部会は、次の会期にCRCに出席する締約国と討議すべき主要な質問を前もって確認するために、少なくとも1年に2回開催されます。作業部会は、通常は2月と10月、例外的に4月に開かれるCRCの通常会期のすぐ後の5日間に会議をもちます。原則として、10人の委員全員が作業部会に出席します。


非公式な会期

 会期前作業部会は、非公式に開催されます。これは、政府代表は出席できないということを意味します。しかし、ユニセフ、ILO、UNHCR、WHOなどの政府間機関の代表が出席できるということは、注目されてよいでしょう。前もって文書報告を提出したNGOも、作業部会に参加するよう要請されることがあります。原則として、NGOは、彼らが専門的な助言を提供できる国に関する会議についてのみ出席を要請されます。この会議は、午前10時から午後1時までか、午後3時から6時までのほぼ3時間行われます。


NGOの参加

 作業部会におけるNGOあるいはその連合体の参加により、CRCの委員が文書報告を読んだ上で必要な質問をし、政府報告書とは別の見方を得ることを可能にします。同時に、CRCが、政府報告書が子どもたちのおかれている現実の状況を正確に反映しているかどうかについて、明確な判断を得るのを助けます。NGOは、CRCの委員が優先事項を決めたり、重要な問題を見い出したりするのを助けることができます。NGOによって提供された情報は、CRCが、本審査前に検討してくるよう政府に送る質問事項書を作成する際に使われます。


NGOの参加のための手続

 関心のあるNGOは、報告書に添付した送付状の中で、作業部会に参加したい旨を明確に述べる必要があります。ひとつの国について、1つか2つのNGOしか出席要請されません。CRCは、NGOないしその連合体が事前に提出した報告書を評価して、その決定をします。CRCは、どの報告書が政府報告の審査にとって適当か、どのNGOないしその連合体が、その国における条約実施の特定の分野について事実に基づく情報を提供できる立場にあるかを審査します。その後、CRCは当該NGOに、文書報告を受け取ったことを知らせるとともに、作業部会がその報告書について検討する日時に出席するよう招請する旨の手紙を出します。


作業部会のための準備

 残念ながらCRCは、交通費を負担したり旅行の手配を手助けしたりはできません。しかしNGOグループは、この分野についての相談に乗ることができます。NGOは、1人か2人の代表しかCRCに参加させられません。報告書をまとめた人、あるいはその国における子どもの権利の状況について包括的な知識のある人の参加が、とりわけ要求されます。CRCの委員は、しばしば専門家にしか答えられないような細部にわたる質問をします。CRCの委員が関心を持ちそうな、あるいは口頭陳述で言及しそうな統計や調査結果のコピーを持参して下さい。



作業部会の手続

 作業部会の会期中に、CRCが政府報告書を検討するための手続や手法は定められていません。それは多分に、各報告書の妥当性や不十分さ、そして、どれだけ多くの情報が獲得できたかによります。会議は通常、まず議長が、国別の報告担当者(country rapporteur)になっている委員に、その国の政府報告書の概要を発表するよう求めるところから始まります。報告担当者は、政府報告書の検討をリードする責任があります。また、他の情報源からすべての適切な情報を集め、見直し、そして政府報告書を分析することに特別な努力をはらいます。

 通訳は、英語、フランス語、スペイン語が利用できます。財政上の制約のために、政府報告書はこの3つの言語すべてに翻訳されないこともあります。それは、専門家のうちの何人かは、それを事前に検討する機会を持てないことを意味します。そのことは、何人かの専門家が討議に参加するのに支障となるかもしれません。


NGOの意見陳述

 国別の報告担当者が政府報告を紹介した後、議長は通常、NGOに意見陳述したいかどうか尋ねます。見えるように、発言を求める合図をし、発言を許可されたときには、マイクの前のボタンを押して下さい。ライトがつくまで待ってから、話して下さい。通訳ができるように、ゆっくりと明確に話して下さい。この初めの発言では、NGOは15分以上は話せません。NGOは、政府報告に対する自らの意見を述べ、自分たちの国で子どもたちが直面している主要な問題を指摘し、あるいは報告書を出した後の最新の情報があれば示すべきです。CRCはまた、政府が報告書の準備過程でNGOと協議したかどうか、その報告書がNGOの関心事項を反映しているかどうか、国内で広く入手可能にされたかどうかなどにも関心がありま� �。先に述べたように、作業部会会議は非公式に開かれ、プレス・リリースも議事録もありません。これによって、ある程度の秘密が保たれ、NGOが自由に話すことができるのです。


追加の質問

 その後議長は、他の委員にその報告について何かコメントしたいかどうかを聞きます。いくつかのコメントは一般的なものかもしれません。しかし、いくつかはNGOに対する専門的な質問かもしれません。専門家の質問に答えたりコメントをしたりしたいNGOは、議長に対して、発言したいことがわかるように合図します。質問やコメントに対しては、NGOは、あまり細部にわたりすぎない答えをし、できる限り短く簡潔なコメントをするよう努めなればなりません。もし、より多くの情報が必要ならば、追加の質問がされるでしょう。会議の終わりには、NGOは、CRCに対し、会議に招き参加させてくれたことについて、感謝の意を表すべきでしょう。

 〈口頭陳述するとき心がけるべき主なポイント〉

 *文書報告に添付された送付状に、ワーキンググループに出席を希望する旨、書かれていること

 *文書報告を提出したNGOだけが招かれること

 *意見陳述は、15分を超えないこと

 *報告書には意見を示し、最も重要な問題点を示し、最新の情報を示すこと

 *政府報告書に関する政府とNGOとの間の協議に関する情報を示すこと


Ⅳ 次の行動への手続

本会期

 CRCは、1年に2回(通常は1月と9月、例外的に4月)、3週間の公式会期(本会期)をもちます。ひとつの政府報告の審議に、その1会期のうちで、半日の会議の2回ないし3回分以上が使われます。政府が委員会に出るときには、専門家たちが、NGOから寄せられた情報に基づいて、付加的な質問をしたりコメントをしたりします。

 NGOは、本会期に出席することを検討すべきです。この会期は、ほとんど全てが公開されており、NGOは、会議中発言する権利はありませんが、オブザーバーとして参加することができます。本会期に参加することで、NGOは政府との対話の全体像をつかむことができます。会議の議事要録(summary records)は出版されますが、これは討議の逐語的な記録ではなく、議事の要約にすぎません。しかも、議事要録は討議終了後何カ月もしないと入手できません。NGOは、会議の前に委員に非公式に会い、政府との対話に役立つ可能性のある付加的情報や最新情報を伝えたり、会議と会議の間に、手続について意見を述べたりすることができます。また、国別報告担当者と非公式の会合をもつこともできます。


最終意見

 「対話」の最後に、CRCは、評価できる面、条約の実施を妨げている要因と障害、主要な関心事項、将来の活動についての具体的な提案及び勧告を指摘した最終意見を採択します。これらの意見は、委員会の会期の最終日に公表され、当該国政府及び国連総会に送られます。CRCの最終意見は、国内での議論を活気づけ、CRCの勧告に従うよう政府に圧力をかけ、法制度や実務を変えさせるロビー活動をするために、何よりの手段となりうるものです。

 また、NGOは、CRCの最終意見や委員のコメントを当該国の報道機関に報道させるよう努力すべきです。委員会審査の有効性は、どれだけそれが注目を集めたかに寄るところが大きいのです。メディアや国民の視線にさらされることは、CRCが指摘した懸念事項を、自国での検討事項として明確に浮かび上がらせることに役立つでしょう。


地域的監視

 NGOによる地域的な監視の継続は、必要不可欠です。NGOは、遠慮なく、政府報告と政府報告の間に、CRCに情報を寄せるべきです。CRCは、政府がCRCの意見や勧告に従っているかどうかを知ることに、特に関心があります。CRCは、その示唆や勧告の実施が定期的に見直されることの重要性を強調してきました。特に、もしCRCの審査の後に、その国の状況が改善されるどころかむしろ悪くなったようなときは、NGOはCRCに連絡すべきです。第44条4項に基づき、CRCは、政府報告と政府報告の間に、付加的な情報を政府に求めることができます。


緊急行動手続

 その国に深刻な状況があり、それが続いたり悪化したりする危険性がある場合、NGOは、迷わずCRCによる緊急行動を要請すべきです。ただ、CRCは、締約国内における組織的かつ重大な条約違反について対応できるのみで、個別のケースについては対応できません。CRCは、締約国にその状況についての付加的な情報を要求したり、その国への訪問を提案することができます。また、国連の他の機関への連絡という方法が取られることもあります。政府は、CRCがその活動を公表する前に、回答する時間を与えられます。


課題の日

 1年に1回、CRCは一つの主要な問題についての一般討議の日をもちます。「課題の日」は、条約のある特定の問題に国際社会の注目を集め、状況を改善するために要求されるプログラムや政策に関する戦略をともに分かち合うことを目的としています。テーマの例としては、「武力紛争下の子ども」、「子どもの経済的搾取」「子どもの権利伸長のための家族の役割」などが挙げられます。NGOは、これらの討議に貢献することができます。NGOは、NGOの参加をコーディネイトする役割を担うNGOグループを通じて、文書報告を提出することができます。

 討議は公開され、NGOは口頭で情報を提示できる可能性があります。


Ⅴ 子どもの権利条約のためのNGOグループ

NGOグループの権限

 子どもの権利条約のためのNGOグループは、条約の実施に直接関与している国際的なNGOが集まったものです。NGOグループは、条約に関する意識を高め、条約の内容が知られるようにし、条約の完全実施を促進し、そして子どもの権利委員会や関連国連機関、NGOのための実践的な情報源となることを目指しています。NGOグループの主な任務の一つは、子どもの権利委員会とNGO(国際的であれ国家レベルであれ)との間の情報の交流を促進することです。NGOグループは、同時に、広い基盤に立ち、その国を代表するNGOの連合体や委員会の創設及び発展を奨励します。


課題別サブ・グループ

 NGOグループの中には、条約の特定の条文に関わる課題のために活動する目的で作られた、たくさんのサブ・グループがあります。現在設置されている課題別サブ・グループには、「児童労働」「性的搾取」「難民の子ども」「武力紛争下の子ども」「法に抵触する子ども」「教育とメディア」「養子と家族斡旋」「余暇と遊び」などがあります。それぞれの活動領域の中で、サブ・グループは、国際的な会議を企画したり、NGO相互間やNGOと国連機関との間の情報交換を促進したり、全国的なあるいは国際的なキャンペーンを強化したり、意識を高める勧告や政策や戦略を作成したりします。子どもの人身売買や児童「買春」や児童ポルノと戦うためのパンフレットや、児童労働による搾取をなくすためのパンフレットが、� ��性的搾取」と「児童労働」のサブ・グループによって作られました。サブ・グループとは、NGOグループを通じて連絡をとることができます。


NGOグループのコーディネイター

 NGOグループは、子どもの権利委員会といつも連絡を保つコーディネイターを指名しています。コーディネイターは、CRCの議題に関する論点について、NGOが貢献できることを見い出し、NGOからのすべての関連情報の提供を確保するよう努めます。コーディネイターは、もしNGOが自国の政府から直接報告書のコピーを入手できないときは、政府報告書を含むすべてのCRCの関連書類を、NGOに提供することができます。コーディネイターは、CRCのプレス・リリースや議事要録や最終的意見を国内的に普及させ、NGOに最新の委員会活動の情報を提供するために活動します。


実践

 NGOグループは、会期前のワーキンググループに参加するようCRCに招かれた全国的NGOないしNGOの連合体の代表1人について、最低限度の旅費と滞在費を提供することができるかもしれません。また、NGOグループは、ジュネーブ滞在の実務的な手配を手伝い、もし要望があれば、国際的なNGOとのミーティングを企画することもできるかもしれません。子どもの権利委員会についての個別的な説明会を企画することもできます。


 日本政府が子どもの権利条約の締約国として、発効後2年内に、子どもの権利委員会(Commitee on the Rights of the Child 、以下、CRCという)に掲出する報告書とは別に、日弁連がNGOの一つとして、オルターナティブ・レポート(代替報告書)を提出することを決定したのは、1996年1月26日のことであった。早速、子どもの権利委員会の中に、人権擁護委員会や両性の平等に関する委員会など関連委員会の委員の協力も得て、「子どもの権利条約日弁連レポート作業部会」を設置した。

 CRCが定めた「子どもの権利条約第44条1項(a)に基づいて締約国によって提出される第1回報告の形式と内容に関するガイドライン」によれば、政府報告書の作成過程において、「公衆の参加および公衆による政府の政策の吟味を助長し、かつ促進すること」が重要であるとされていた。そこで、レポート作業部会はまず、政府報告書の完成を前にして、1996年3月21日、「政府報告書に盛り込むべき事項」を、各項目毎にとりまとめて提出した。しかし、同年5月30日付でCRCに提出された政府報告書においては、日弁連や他の国内NGO・市民の指摘は何ら顧慮されなかった。

 提出後に開示された政府報告書は、形式上はCRCの定めたガイドラインに沿っているものの、その内容は概ね日本における子どもをめぐる法規定や制度の枠組み・基準などの紹介・説明に終始しており、それをいくら読んでも、日々その規定や枠組みの中で生きている子どもたちの息づかいや顔・姿などの実態は浮かんでこないばかりか、子どもの権利の現状や権利侵害の実態、更に今後の権利保障の課題など、CRCが求めている肝心の点はほとんど明らかとなっていない。

 そこで、オルターナティブ・レポートとして作成された日弁連レポートは、この政府報告書の問題点を指摘するだけでなく、CRCにおける日本の報告審査が建設的・効果的なものとなり、又、報告書の作成・審査をきっかけにした子どもの権利保障の促進にもつながるものにすることを意図して、大要次のような視点から作成することにした。

 第1に、政府報告書が法制度や建前の説明に終始しているのに対して、日弁連レポートは、これまで日弁連が子どもの権利委員会の前身である少年法「改正」対策本部の時代から積み重ねてきた活動成果や、全国各地の弁護士会が行ってきた子どもの人権救済活動の成果をふまえて、日本における子どもの権利の現状とそこに存する問題点や課題を、各分野にわたって広く具体的に取り上げ、いわば日本において子どもたちがおかれている実態と問題点が具体的に浮かびあがるように記述することにした。

 第2に、政府報告書が無視したり、あるいは歪めて報告している問題点を拾いあげ、これらをもれなく客観的・正確に記述して、CRCが条約の実施状況について包括的に理解するために十分な情報を提供するようにした。

 第3に、批准後において子どもの権利の享受がどこまで進歩したのか、進歩が阻害されているとすれば、その要因及び障害がどこに存するのかを指摘し、子どもの権利を実効的に保障するための課題を明らかにすることにした。政府報告書にはこれらの点の記述が欠けているからである。

 第4に、現行の法制度や運用の実際に存する問題点をふまえての法改正の提言や運用の見直しに関する具体的な提言などを各分野にわたって広く行うことにした。CRCの審査において、政府に対する質問案・勧告案を作るに際して有用だと考えたからである。

 このような意図・視点が実際にどの程度貫かれたかどうかは、本レポートを読まれた方の意見・批判に待つよりほかないが、オルターナティブ・レポートの意義が、政府報告書を一方的に批判することではなく、CRCにおける「報告制度」を実のあるものにするために、十分な情報を提供するとともに、何よりも十分な情報に基づいて政府と建設的な対話を行うことにあることに留意して、作成した。

 レポートの作成にあたっては、これまで日弁連が積み重ねてきた活動成果や、全国各地の弁護士会が行ってきた子どもの人権救済活動の成果をまとめたものとして、『子どもの権利マニュアル〔改訂版〕子どもの人権救済の手引』(こうち書房刊、1995年)があったので、これを権利条約や前記ガイドラインに照して組み立て直して記述することを基本にした。しかし、とりかかってみると、実際にはそれだけでは足りないことが多く、新たに書き直さざるをえなかったものが少なくなかった。それだけではなく、子どもの国際養子による海外への流出やアイヌなど先住民族の教育・文化の問題など、われわれがこれまで全く取り組んでこなかった分野があることも知った。その意味では、レポートの作成作業を通して、日弁連として今 後取り組むべき課題や方向を新しく認識することができたことを特記しておきたい。

 なお、レポート作業部会での作業を進めるにあたっては、執筆担当委員の作成した原稿を基にして、子どもの人権救済小委員会の委員などの参加を得て検討したが、更に委員以外の会員の方々にも広く意見を聞くなどして、検討を重ねた。しかし、時間の制約もあり、なお不十分な点や意に満たない箇所が残された。

 日弁連レポートを本書のようなかたちで出版することにしたのは、多くの市民・親そして子どもたちに対して、日本における子どもの権利の現状・実態に関する認識を共有するとともに、国際的な視点でこれを改善し、前へ進めるための手がかりを共に考えたいと願ったからであるが、同時に、日本国憲法・教育基本法施行50年にあたる今年、広く子どもの権利の現状を検証して、将来の課題を共に確認しておきたいと思ったからでもある。

 本書が多くの人々の手にとられ、日本における子どもの現在と将来を考えるきっかけとなることを期待している。

1997年7月14日
日本弁護士連合会子どもの権利委員会
子どもの権利条約日弁連レポート作業部会
座長: 中川 明



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