製品・サービス発表レター
本日付にてIBM WebSphere MQ V7.0.1を発表いたします。
[1-1-1] 製品の概要
IBM WebSphere MQ V7.0 は、お客様がお使いのアプリケーション、Web サービス、および Web 2.0に、フレキシブルで信頼性の高いメッセージングを実現する、堅固なトランスポート機能を備えた SOA(1) Messaging 基盤をお届けします。また、市場をリードする Java Message Service (JMS) およびパブリッシュ/サブスクライブ・メッセージングも提供します。
WebSphere MQ は、市場をリードするメッセージ指向型ミドルウェア製品で、これまで世界中の多数の業界にわたり、規模の異なる 10,000 近い組織に対して、信頼性の高い実証済みのメッセージング・バックボーンを提供してきました。
2008 年 6 月に発表されたWebSphere MQ V7.0 は、 SOA Messaging 基盤として重要な機能拡張を提供するようになりました。この拡張には、JMS およびパブリッシュ/サブスクライブの使いやすさと高いパフォーマンス、新しいメッセージ・キュー・インターフェース (MQI) 機能、および Web 2.0 アプリケーションへの HTTP ブリッジングなどがあります。今回発表のWebSphere MQ V7.0.1 では、一層の機能拡張が提供できるようになりました。この機能拡張は、次のようなさまざまな方法で利用することができます。
- 現在 WebSphere MQ V6.0 をご使用の場合は、初めに V7.0 にマイグレーションする必要はなく、直接 WebSphere MQ V7.0.1 にマイグレーションできます。
- すでに WebSphere MQ V7.0 をご使用の場合は、通常のサービス・プロセスの一部としてリフレッシュ・パック更新を適用することによって、V7.0.1 にアップグレードできます。なお、この方法は、IBM i プラットフォームでは利用できません。
- また、使用可能日から、既存の WebSphere MQ V7.0 製品のメディア・パッケージおよび IBM パスポートアドバンテージからのダウンロード・パッケージには、WebSphere MQ V7.0.1 レベルのコードが含まれています。
WebSphere MQ V7.0.1 のキュー・マネージャーおよびクライアントは、以前のあらゆるレベルの WebSphere MQ または MQSeries 製品のキュー・マネージャーおよびクライアントとの相互運用が可能です。ただし、WebSphere MQ V7.0.1 の新機能を利用するためには、前のレベルのキュー・マネージャー、クライアント、またはその両方のアップグレードが必要になる場合があります。WebSphere MQ V7.0の詳細につきましては、 2008年4月2日付製品発表レター、「WebSphere MQ V7.0の発表」(SWA08017)をごらんください。
(1) サービス指向アーキテクチャー
[1-1-2] ハイライト
IBM WebSphere MQ V7.0.1 は、今回追加拡張された機能により、
- メッセージングの可用性の向上に必要なスキルとリソースの低減
- クライアント・アプリケーションの回復力の改善
- 構成変更の可視性と管理機能の向上
- メッセージとそれを利用するアプリケーションに対する SOA ガバナンス適用の容易化
- .NET 開発者の生産性向上
などを可能にします。これによって、 SOA Messaging 基盤をさらに機能拡張します。拡張された機能には、以下のようなものがあります。
- 可用性向上のためのマルチ・インスタンス・キュー・マネージャー
- 可用性向上のための自動クライアント再接続
- 構成変更の可視性および監査能力の向上
- SSL セキュリティー・サポートの拡張
- サービス定義ウィザード
- .NET 開発者向けの IBM Message Service Client
- .NET 開発者向けの Microsoft Windows Communication Framework サポート
[1-1-3] ダウンロード/一般出荷 開始予定日
プログラム名称 | VRM | ダウンロード 開始予定日 | 一般出荷開始予定日 |
IBM WebSphere MQ | 7.0.1 | 2009年 8月 29日 | 2009年 9月 25日 |
[1-2-1]製品機能詳細
WebSphere MQ は、 SOA Messaging 基盤 を提供します。今回追加された新機能によって、V7.0 リリースが拡張されます。
■ マルチ・インスタンス・キュー・マネージャー
今日の年中無休体制の社会では、アプリケーション、ネットワーク、およびハードウェアの機能停止がビジネスに与えるインパクトは深刻で広範囲に及ぶ可能性があります。同様に、これらのアプリケーションとサービスを接続する SOA Messaging 基盤も、企業からの高可用性要求を満たす必要があります。高可用性 (HA) の実現は、SOA の回復力を最大化する基本的な手段であるため、特に計画外の停止から迅速かつ完全に復旧できることが要求されます。
WebSphere MQ V7.0.1 は、メッセージングの可用性を向上させることができる、すぐに利用可能な手段を提供します。このソフトウェア・ベースのアプローチによる可用性の向上には、専門的なスキルやハードウェアは必要ありません。計画外の停止といったイベントが発生した場合、マルチ・インスタンス・キュー・マネージャー機能により自動フェイルオーバーが行われます。また、ソフトウェア・メンテナンスの適用などの計画停止に対する制御された切り替え機能も提供されます。
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この新しい可用性オプションを使用すると、マルチ・インスタンス・キュー・マネージャーのメッセージおよびデータは、ネットワーク・ファイル・システム (NFS) バージョン 4 のような最新のネットワーク・ファイル・システム・プロトコルを介してアクセスされるネットワーク型ストレージに保持するように構成します。次に、このキュー・マネージャーの複数のインスタンス (1 つはアクティブ・インスタンスで、1 つはスタンバイ・インスタンス) を、それぞれネットワーク型ストレージにアクセス可能な異なるマシン上に定義し、異開始することができます。アクティブなキュー・マネージャー・インスタンスがメッセージを処理し、アプリケーションおよび他のキュー・マネージャーからの接続を受け入れます。
キュー・マネージャーのアクティブ・インスタンスを確実に 1 つだけにするために、キュー・マネージャー・データに対して排他制御を行います。スタンバイ・キュー・マネージャー・インスタンスは、アクティブ・キュー・マネージャー・インスタンスがまだ実行中であるかどうかを定期的に検査します。もしアクティブ・キュー・マネージャー・インスタンスに障害があるか、またはキュー・マネージャー・データに接続されていない場合は、キュー・マネージャー・データのロックが解放され、スタンバイ・キュー・マネージャー・インスタンスがこのロックを取得します。続いて、スタンバイ・キュー・マネージャー・インスタンスはキュー・マネージャー� �再始動処理を実行して、アクティブ・キュー・マネージャー・インスタンスになります。
マルチ・インスタンス・キュー・マネージャー機能は、プラットフォーム固有のハードウェア機構に基づくHAコーディネーター、例えば、IBM AIX プラットフォームでは High Availability Cluster Multi-Processing (IBM HACMP)、その他のハードウェア・プラットフォームで使用可能な同様の製品などを使用せず、高可用性に対する簡単な代替機能を提供します。
最高レベルの可用性持つメッセージングを実現するためには、HACMP のようなプラットフォーム固有のハードウェア機構に基づく HA コーディネーターなどの製品を使用することをお勧めします。HA コーディネーターは、堅固なモニタリング機能、およびフレキシブルな調整と再始動の機能を備えています。
WebSphere MQ V7.0.1 によって、SupportPac MC91(High Availability for WebSphere MQ on UNIX platforms) の必要性はなくなりました。 したがって、SupportPac Mc91の営業活動は今後中止される予定です。
■ 自動クライアント再接続
WebSphere MQ V7.0.1 を使用すると、クライアント・アプリケーションは、ネットワーク障害または計画停止中といった出来事のイベント発生時に、キュー・マネージャーまたはその代替に自動的に再接続できるようになります。接続が切断されているかどうかの判別および再接続の試みをアプリケーションがする必要はなく、WebSphere MQ V7.0.1 クライアント・ライブラリーが、障害を検出し、同じキュー・マネージャーまたは代替キュー・マネージャーのいずれかへの接続を再試行する再接続のロジックを備えています。クライアント・アプリケーションは、代替キュー・マネージャーのリストを指定できます。接続の復旧が可能な場合、それはクライアント・アプリケーションに対して完全に透過的に行われます。アプリケーションは、再接続および他の関連イベントが起きたときに通知が必要な場合は、イベント・ハンドラーへの登録を選択できます。
障害または停止が起きたときに、元のキュー・マネージャーへの接続が復旧できない場合は、WebSphere MQ V7.0.1 がアプリケーションを適切な代替キュー・マネージャーに接続し、それとの接続を確立し、キューまたは使用中のサブスクリプションなど、そのアプリケーションが使用していたオブジェクトを再度開き、使用中であったすべての接続ハンドルを復元します。クライアント・アプリケーションは、障害の発生に気付かずにアクティビティーを再開することができます。WebSphere MQ V7.0.1 は、成功するまで、あるいは最大再試行期間を超えるまで、再接続を試行し続けます。
再接続を試みる頻度あるいは期間を調整またはカスタマイズするために、再接続設定を構成することができます。不要なネットワーク・トラフィックを最小化するためには、再接続の試行頻度を時間の経過とともに指数関数的に減少させ、徐々に初期より頻度を下げていきます。クライアント・アプリケーションは、オプションを使用して、元のキュー・マネージャーとのみ再接続するか、あるいは必要なオブジェクトおよびキュー定義をすべて持っているいずれかのキュー・マネージャーと再接続するかを指定できます。
自動クライアント再接続を有効にするためには、クライアント・アプリケーションは、既� �のコマンドに追加された新しいオプションを利用して、再接続の試みをいつ、どのように行うかを指定します。MQI ユーザーおよび JMS ユーザーともに、この新しいオプションが利用可能です。この自動再接続機能を使うためには、接続されるWebSphere MQのクライアントおよびサーバーは、いずれもWebSphere MQ V7.0.1レベルに更新する必要があります。
■ 構成変更の可視性および監査能力の向上
WebSphere MQ V7.0.1 は、構成変更が起きたときは常に構成イベントという通知を生成することによって、MQ オブジェクトに対する構成変更の可視性を向上させています。このような通知は、MQ オブジェクトの作成、変更、または削除が行われたときに生成されますが、明示的な要求によって生成することもできます。構成イベントは、構成変更がどのように行われたかに関する詳細情報を提供します。またこの中には、構成変更の実行元であるキュー・マネージャー、変更を行ったユーザーの ID、使用されたメカニズム、変更されたオブジェクト名とオブジェクト・タイプ、およびオブジェクトの属性値などの情報があります。
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変更に関連したイベントは、変更の実行前と実行後に通知されます。その結果生成される構成イベント・メッセージは、SYSTEM.ADMIN.CONFIG.EVENT キューに保存されます。この構成イベント機能は、これまでWebSphere MQ for z/OS でのみ使用可能でしたが、WebSphere MQ V7.0.1をサポートする分散プラットフォームでも使用可能になります。
WebSphere MQ V7.0.1 は、コマンドが実行されるときに常に通知を生成して、実行された管理操作に関する可視性を向上させます。このようなコマンド・イベントは、MQ Script コマンド (MQSC) または Programmable Command Format (PCF) コマンドが実行されるときに生成されます。コマンド・イベントは、コマンドがどのように実行されたかに関する詳細情報を提供します。これには、コマンドが実行されたキュー・マネージャー、コマンドを実行したユーザーの ID、メカニズム、および該当する場合は、コマンドを発行するために送信されたメッセージなどがあります。コマンド・イベントは、SYSTEM.ADMIN.COMMAND.EVENT キューでアクセスできます。このコマンド・イベント機能は、以前は、WebSphere MQ for z/OS でのみ使用可能でしたが、今後は、サポートされる分散プラットフォームで使用可能になります。
WebSphere MQ Programmable Command Format (PCF) コマンドを利用すると、特別なフォーマットの WebSphere MQ メッセージを送受信する管理プログラムによって、管理タスクが実行できるようになります。この方法では、例えばプログラムで、キューおよびプロセス定義を作成し、キュー・マネージャーを変更することができます。まずPCF 要求メッセージは、キュー・マネージャーのコマンド・キューに送信されます。次に、このコマンド・キューから、コマンド・サーバーがPCF要求メッセージを読み出し、指定された処理を行います。その実行結果を含むメッセージを、コマンド・サーバーは指定した応答キューに戻さします。
WebSphere MQ Script Commands (MQSC) は、対話式に、あるいは ASCII テキスト・ファイルを使って実行することができます。MQSC は、キュー・マネージャー、キュー、プロセス定義、名前リスト、チャネル、クライアント接続チャネル、リスナー、サービス、および認証情報のオブジェクトを含むキュー・マネージャー・オブジェクトを管理するために使用できます。
PCF および MQSC コマンドは、同等の構成機能を実行する手段としての選択肢を提供します。
■ SSL セキュリティー・サポートの拡張
WebSphere MQ V7.0.1では認証管理に対する新しいアプローチを利用することで、業界のセキュリティー標準である Secure Sockets Layer (SSL) のサポートを拡張します。Online Certificate Status
Protocol (OCSP) は、X.509 デジタル証明書の失効状態を把握するために使用されるインターネット・プロトコルで、証明書失効リスト (CRL) の代替となります。WebSphere MQ V7.0.1 は、このOCSP を利用することによって、SSL 証明書の失効検査をサポートします。このOCSP採用により、証明書検査の簡易化が可能となります。このサポートにより、WebSphere MQ ネットワークが最新の SSL 証明書管理方法を使用して、X.509 デジタル証明書の情報を最新の状態に保持できるようにします。
■ サービス定義ウィザード
WebSphere MQ V7.0.1 は、WebSphere MQ アプリケーションを SOA サービスに変えるための簡単な方法を提供します。この機能により、接続されたアプリケーションと MQ オブジェクトのSOA ガバナンスによるライフ・サイクル管理を支援することができます。
多くの組織は、管理されていないまたは文書化されていないいくつものアプリケーションをかかえています。多くの場合、これらはあまり知られず、よく理解されていないため広く使用されることのないアプリケーションです。このようなアプリケーションは、これらをすべてリンクする SOA Messaging基盤をWebSphere MQ が提供しても、集中化されたカタログ処理および管理を行うことは困難です。
これらのアプリケーションのライフ・サイクルが統制不能であること、およびこれらの相互依存性が把握できないことは、メンテナンス・コストを増大させ、プロジェクトの遅延を招くことになりかねません。さらにアプリケーションの多様なユーザーの依存関係がよくわからないため、このようなアプリケーションに対する変更はすべて危険です。
IBM が提供するサービス定義は、WebSphere MQ に接続するアプリケーションおよびオブジェクトを SOA サービスとして記述するために使用できます。WebSphere MQ サービス定義は、このようなサービスの記述に、 Internationalized Resource Identifier (IRI) および Web サービス記述言語 (WSDL) を使用します。IRI 仕様は、WebSphere MQ アプリケーション、キュー、およびトピックを Web サイトと類似した方法で参照するためのアドレスを定義します。またWSDL バインディング仕様は、WebSphere MQ アプリケーションを記述する WSDL の拡張を定義しました。この拡張部分には、アプリケーションの接続、使用するキューまたはトピック、メッセージ交換パターン (要求と応答、または一方向)、およびサービス品質と使用するメッセージ・フォーマットなどが含まれます。
WebSphere MQ V7.0.1 は、このような WSDL 記述を生成できるGUIウィザードを提供します。このサービス定義ウィザードは、WebSphere MQ アプリケーションを SOA サービスに変換するために必要な時間、労力、およびスキルを削減できます。このウィザードは、Eclipse プラグインとして、WebSphere MQ エクスプローラーのグラフィック・ツールに統合されます。WebSphere MQ サービス定義は、SOAP またはネイティブ (非 SOAP) いずれかのメッセージを使用するアプリケーションに対しても作成できます。したがって、このサービス定義は、SOA ガバナンス戦略の一環として、Web サービス以外のサービスを Web サービスと一緒に統括するために使用できます。
引用符で王子は心にしかとアイデアを持っている必要があります...
生成されたこれらの WebSphere MQ サービス定義は、WebSphere Service Registry and Repository などの SOA リポジトリーにインポートできます。これらの MQ サービスは、WebSphere Service Registry and Repository にインポートされた場合、サービス指向アーキテクチャー全体で可視になり、管理および再利用の促進に役立ちます。
WebSphere Service Registry and Repository は、ユーザーによる変更が利用者に及ぼすインパクトを十分に考慮し、例えば変更が行われるときには利用者にそのことを通知することによって、MQ サービスに対する制御付き変更が問題なく行われるよう支援することができます。設計者は、MQ サービスを SOA 内の他のサービスと同様に統括し、確実にベスト・プラクティスに従い、かつ関連ポリシーが継続的に施行されるようにして、MQ サービスの品質を保証することができます。利用者は、例えば、どのアプリケーションがどの MQ キューを使用するかを判別したり、永続メッセージを使用しているアプリケーションを判別したりするなどの照会を実行することができます。これによって、設計者およびサービス利用者が、WebSphere MQ の成果物に関連したメタデータをベースにしたサービスを検索できるようになります。設計者は、グラフィック・ビューを使用して、キュー・マネージャー、キュー、操作、およびメッセージから構成される MQ サービス構造を調べることができます。これは、変更のインパクトを判別したり、再利用の可能性のためにサービスの依存関係を分析するのに役立ちます。
WebSphere MQ サービスは、関連ポリシーおよび他の情報で内容を拡充させることもできます。この情報は、MQ サービスの潜在的な利用者すべてがただちに使用することができ、サービスを使用する方法と使用時期の判別に役立ちます。変更が行われる時に、そのサービスのすべてのサブスクライバーに適時に通知が送られるようにすることができます。
WebSphere MQ アプリケーションを SOA サービスとして WebSphere Service Registry and Repository 内にカタログすることは、MQ を利用したソリューションの理解を深めるための重要なステップです。これは、IT 管理者および設計者が MQ アプリケーションのメンテナンス・コストを削減し、MQ アプリケーションの妥当性と認識を向上させ、これらの MQ アプリケーションが命名規則およびベスト・プラクティスに準拠しているかを評価するのに役立ちます。なお、サービス定義ウィザードは、WebSphere MQ フィックスパック V7.0.0.1 から使用可能です。
■ .NET 開発者向けの IBM Message Service Client
WebSphere MQ V7.0.1 は、IBM Message Service Client for .NET を追加します。これは、.NET 開発者に、JMS と整合し、Microsoft .NET フレームワーク内で稼動する C#、Managed C++、J#、および Visual Basic .NET アプリケーションで使用できるメッセージングのためのプログラミング・インターフェースを提供します。また、WebSphere MQ V7 で導入されたサービスの新しいクライアント機能およびサービス品質も提供します。
IBM Multi-Language Message Service は、Java 以外の言語からも利用可能で、業界標準の JMS と整合性を持つメッセージング用プログラミング・インターフェースを提供します。IBM Multi-Language Message Service は、「XMS」として参照されますが、この「X」は「多数」のプログラミング言語対応を表します。
IBM Message Service Client for .NET は、これまでサポート・パック IA9H で使用可能でした。
■ .NET 開発者向けの Microsoft Windows Communication Framework サポート
Windows Communication Framework (WCF) サポートは、WebSphere MQ を完全に管理され、統合化されたカスタム・チャネルとして利用可能にし、また .NET 開発者が、Web サービス間で SOAP メッセージを転送する際に、実績のあるWebSphere MQのマルチプラットフォーム・トランスポートを簡単に利用できるようにします。WCF は、.NET プログラマーに、階層化アーキテクチャーに基づくサービス指向プログラミング・モデルを提供します。WCF の基盤となる拡張可能チャネル層が、上位層に、汎用的な非同期メッセージング機能を提供します。WebSphere MQ カスタム・チャネルは、この下位レベルのチャネル・アーキテクチャーに接続して、WCF と WebSphere MQ 間をシームレスに統合し、.NET 開発者が、 Web サービス間で SOAP メッセージを転送するために WebSphere MQ の実績のあるマルチプラットフォーム・トランスポートを利用する一方で、使い慣れた WCF インターフェースも使用できるようにします。
WebSphere MQ カスタム・チャネルを使用すると、Windows アプリケーションは、SOAP 機能を利用して WebSphere MQ V6 または V7 にデプロイされた Web サービスと、および SOAP Over JMS トランスポートを使用して WebSphere Application Server および IBM CICS にデプロイされたサービスと、それぞれ交信することができるようになります。
[1-2-2]製品の位置づけ
WebSphere MQ ファミリーは、SOA 接続のための汎用メッセージング・バックボーンを提供します。この製品は、新規および既存のアプリケーションや Web サービスを信頼性の高いメッセージングに結び付けます。WebSphere MQ は、ESB を支えるトランスポート層としての SOA への第一歩となります。そして、デリバリーのクラスでは最上とも言える保証付きの信頼性の高いメッセージングを、その他のサービス品質とともに提供します。
WebSphere MQ は、業界標準の JMS メッセージングをサポートしています。これによって、Web 2.0 からコア・バックエンド・アプリケーションへのシンプルな RESTful アクセスが実現します。WebSphere MQ は、80 を超えるプラットフォーム構成をサポートし、事実上すべての市販 IT システムと統合できます。JEE アプリケーション、.NET アプリケーション、CICS、IMS、DB2、およびパッケージ・アプリケーションとの統合が可能です。
WebSphere MQ は、アプリケーションと Web サービスとの間でメッセージを交換するための信頼性が高くフレキシブルな統合バックボーンを提供し、お客様の組織がその IT 投資からより多くの成果を得るためのお手伝いをします。
- WebSphere MQ は、アプリケーション統合のコアであり、汎用多目的のデータ・トランスポートとして信頼性が高く実証済みの、SOA 接続用のメッセージング・バックボーンです。そして、80 を超えるプラットフォーム構成をサポートし、事実上すべての市販 IT システムと接続できます。WebSphere MQ は、業界標準の JMS メッセージングをサポートし、用途に合わせたAPI も組み込まれています。WebSphere MQ は、WebSphere Application Server に組み込まれた JMS メッセージング・サービスとともに使用することにより、非 JEE 環境にまでその守備範囲を広げることができます。WebSphere MQ は、ビジネス・ニーズの変化に合わせて段階的に規模を拡大できるフレキシブルな接続ソリューションです。
- WebSphere MQ for z/OS は、IBM System z プラットフォームのプラットフォーム固有機能を活用して、メッセージングの動力源を提供します。
- WebSphere MQ for HP OpenVMS、WebSphere MQ for HP NonStop Server、および MQSeries for z/VSE はそれぞれ、WebSphere MQ の守備範囲をこれらの特定のコンピューティング・プラットフォームにまで拡張します。
- WebSphere MQ File Transfer Edition は、実績のある WebSphere MQ トランスポートにファイル転送固有の機能を追加します。これにより、プログラミングを必要とせずに、IT システム間で信頼性の高いファイル移動を可能にするマネージド・ファイル・トランスファー・ソリューションが提供されます。
- WebSphere MQ Extended Security Edition は、WebSphere MQ が提供する業界標準セキュリティーを拡張して、お客様のアプリケーションのためのエンドツーエンド・データ保護を実現します。これにより、ご使用の MQ ネットワークのセキュリティー・ポリシーの企業全体でのリモート管理が可能になり、既存の WebSphere MQ アプリケーションを変更せずに、既存の実稼働環境に配置できます。
- WebSphere MQ Low Latency Messaging (Linux、Microsoft Windows、および Solaris プラットフォームに対応) は、WebSphere MQ プロダクト・ファミリーに低遅延、高スループットのデリバリー機能を提供します。これは、金融市場の会社やデータ・デリバリーの速度が最優先事項となるその他の業界において典型的な、超大量、低遅延の要求に合わせて最適化されています。
WebSphere ポートフォリオは、WebSphere MQ が提供する SOA Messaging に基づき、それを利用できる追加の接続機能を提供します。
- WebSphere Service Registry and Repository は、ご利用中の SOA 内のポリシーおよびサービスのパブリッシュ、検索、質の向上、管理、および統括を支援することができる SOA リポジトリーを提供します。MQ サービス定義を使用して、WebSphere Service Registry and Repository が、MQ アプリケーションのライフ・サイクルおよびメッセージング・サービスを、他の SOA サービスと同じ方法で統括するために使用できるようになりました。
- WebSphere Message Broker は、異機種混在の IT 環境における汎用的な接続および変換のために作成された ESB です。これは、変換、インテリジェント・ルーティング、および情報フロー・モデリングを追加する ESB 機能としてWebSphere MQ メッセージング・レイヤー上に構築されます。 - WebSphere Message Broker Starter Edition は、ESB をデプロイする基本レベルの開始ポイントであり、ビジネス・ニーズの増加に伴い発展する能力を備えています。
- WebSphere Message Broker for Remote Adapter Deployment は、アダプターをデプロイする際の実行時間を手頃な料金で短縮および効率化することができます。 - WebSphere ESB は、WebSphere Application Server の組み込みメッセージング上に構築された、Web サービス標準を利用するESB製品です。WebSphere MQ は、この ESB の守備範囲を 非 JEE 環境およびより広範囲のプラットフォームまで拡大します。
- WebSphere DataPower Integration Appliance XI50 では、アプライアンス・フォーム・ファクターの形で ESB が提供されます。 これは、1U (厚さ: 44.5 mm) のラック・マウント可能なネットワーク装置で、バイナリー、レガシー、および XML を含め、異なるメッセージ・フォーマット間での変換を行い、メッセージ・ルーティングおよびセキュリティーを提供します。 XI50 は、WebSphere MQ バックボーンへのクライアント接続を提供します。
- WebSphere Partner Gateway は、取引パートナーの B2B 統合を可能にします。 これは、B2B 取引パートナーの中央化および包括化を行って、取引パートナーとのプロセスおよびデータの統合を可能にし、管理するトランザクション管理機能を提供します。 また、標準ベースのトランスポート・プロトコル (EDIINT AS1、AS2 または AS3、RosettaNet RNIF 1.1 および 2.0、cXML、CIDX Chem eStandards 4.0、ebXML Messaging Service (ebMS) 2.
0 など) をサポートして、さまざまな取引パートナーの接続に関する要求に対応します。また、FIPS 標準規格に準拠するように FIPS 140-2 を有効化しています。 - WebSphere DataPower B2B Appliance XB60 は、ハイパフォーマンスの非武装地帯 (DMZ) で、AS2 および AS3 メッセージングや取引パートナーのプロファイル管理を行う企業間取引 (B2B) 専用ハードウェアを提供するアプライアンスです。
- WebSphere DataPower Low Latency Appliance XM70 は、単純化されたデプロイメント、コンテンツ・ベースのルーティング、および極めて高いパフォーマンスを実現するための専用のロー・レイテンシー・メッセージング・ハブです。
- WebSphere Transformation Extender は、汎用のデータ形式変更および妥当性検査用エンジンです。これは、コーディングが不要なグラフィカルな開発手法で、企業のシステムおよび情報を統合するという課題に対処するのに役立ちます。
- WebSphere Adapter は、迅速かつ簡単にレガシー・アプリケーション、ERP、HR、CRM、およびサプライ・チェーン・システムのサービスを使用可能にする、汎用テクノロジーおよびビジネス・アプリケーション・アダプターとウィザードを提供します。
さらに、IBM Tivoli ポートフォリオが、大規模 WebSphere MQ ソリューションのためのシステム管理機能を提供します。IBM Tivoli OMEGAMON XE for Messaging は、WebSphere MQ ソリューションのアベイラビリティーとパフォーマンスを向上させるために役立ちます。 これにより、事前定義されている業界のベスト・プラクティス・シチュエーションを使用して共通問題を識別し、修正アクションを自動化することができ、一方で WebSphere MQ の重要な測定基準をモニターすることもできます。IBM Tivoli OMEGAMON XE for Messaging は、リアルタイムのヒストリカル・データ分析を使用してアベイラビリティーとキャパシティーをモニターできるので、サービス・レベル・アグリーメント (SLA) の管理の改善に役立ちます。 オートディスカバリーや複雑な WebSphere MQ 環境のモニターなど、すぐに使用可能な機能を備えているので、IT スタッフの生産性の向上と管理コストの削減をもたらします。さらに、SupportPac として製品の機能拡張や追加機能を、インターネットからのダウンロードにより提供しています。以下のサイトにアクセスしてください。
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